大型のファーフードと重厚な防寒構造を備え、N-3からN-3Bへと発展した米空軍極寒地用パーカの系譜。
概要
N-3は、極寒地で活動する航空要員のため、1945年頃に米陸軍航空軍が採用した防寒パーカである。腿付近まで届く3/4丈、厚い保温材、大型の一体型フードを備え、フードを閉じると顔の前だけが開く構造から「スノーケルパーカ」とも呼ばれる。
米空軍独立後の1950年頃には、エアフォースブルーを採用したN-3Aが登場。1950年代後半にはN-3Bへ発展し、初期のナイロングレーからセージグリーンへと移行した。N-3Bは素材や細部を更新しながら長期間生産され、シリーズを代表するモデルとなった。
特徴
N-3シリーズに共通するのは、ナイロンシェル、厚い保温材、4つのフロントポケット、ジッパーとボタンを併用した前立て、大型のファーフードである。
最初期のN-3はオリーブカラーで、袖口のニットリブが露出する。N-3Aは基本設計を引き継ぎながら、米空軍を象徴するエアフォースブルーへ変更。N-3Bでは袖口リブが内側に収納され、初期の天然ファーやウール系保温材も、後年には化学繊維へと置き換えられていった。
カルチャーとの接点
N-3Bは戦後のサープラス市場を通じて民間へ広がり、「スノーケルパーカ」として英国のユースカルチャーや冬のストリートウェアに定着した。1990年代にはリアム・ギャラガーをはじめとするブリットポップ周辺でもN-3B型のパーカが着用され、モッズとは別の系譜から英国のロックファッションへ接続している。
ビンテージ市場の価値
生産期間が短く現存数も少ないN-3とN-3Aは、シリーズの中でも特に希少価値が高い。N-3Bでは、初期のナイロングレー仕様や初期セージグリーン、天然ファーを残した個体が評価される。
価値を左右するのは、スペックラベル、コントラクター、ジッパー、ファーとフード裏の状態、オリジナルパーツ、サイズ、ナイロンの劣化など。後期型は比較的見つけやすいが、初期型のコンディションが良い個体は国際的にもコレクターズアイテムとなっている。
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