US Military誕生の背景
ジャングルファティーグジャケットは、1960年代のベトナム戦争期にアメリカ軍で採用された熱帯地用の戦闘服である。高温多湿な環境では、従来のOG-107ユーティリティシャツや厚手のフィールドジャケットでは暑く、動きにくい場面が多かった。そのため、軽量で通気性があり、装備を身につけた状態でも扱いやすいユニフォームとして開発された。正式には「トロピカルコンバットユニフォーム」の上衣にあたり、ベトナム戦争における米軍服を象徴する存在のひとつとなった。
形状
特徴は、フロントに配された4つのフラップ付きポケットである。胸ポケットは斜めに取り付けられ、装備を着用した状態でも手を入れやすい設計になっている。生地は薄手のコットンポプリンが基本で、後年には裂けの広がりを抑えるリップストップ生地も登場した。シャツのように軽く羽織れる一方で、軍服らしい機能性を備える点が魅力である。
モデルの変遷
ジャングルファティーグは、一般的に1stから4thまでに分けて語られることが多い。初期型はエポレット、ウエスト調整タブ、露出したフロントボタンなど、ディテールが多い仕様で知られる。その後、改良によりボタンは比翼仕立てとなり、エポレットやウエストタブは省略されていった。3rdまではノンリップのコットンポプリン、4thではリップストップ生地が主流となる。年代判別では、生地、ボタンの見え方、エポレットや調整タブの有無が重要なポイントになる。
カルチャーとの結びつき
戦地で使われた機能服でありながら、戦後はミリタリー古着の定番として広く受け入れられていった。ベトナム戦争を描いた映画では、ジャングルファティーグを含む米軍のオリーブドラブのユニフォームが、当時の兵士像を伝える視覚的な記号として登場する。また、ジョン・レノンが愛用したOG-107系のファティーグシャツのように、米軍由来の服は1970年代の反戦運動やカウンターカルチャーとも結びついて語られてきた。
ビンテージ市場の評価
ビンテージ市場では、年代、モデル、生地、サイズ、状態によって評価が分かれる。特に1st、2ndなどの初期型は流通量が少なく、ディテールの希少性も含めて人気が高い。ノンリップの3rdは柔らかな生地感と雰囲気が評価され、リップストップの4thは比較的見つけやすく、実用性の高さから日常着としても選ばれている。軍服としての機能美と、古着としての着やすさを兼ね備えた一着として、現在も安定した人気を持つモデルである。
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