米軍のフィールドジャケットを代表する、四つポケットの定番アウター
M-65フィールドジャケット(M-1965)は、1965年にアメリカ陸軍がM-1951(M-51)の後継として制式採用したフィールドジャケットです。系譜は第二次大戦期のM-1943→M-1950→M-1951→M-1965と続きます。結果的にベトナム戦争で広く使用されましたが(「ベトナム戦争のために開発された」わけではなく、世代更新による採用です)、その後も長く支給された定番です。仕様は軍規格MIL-C-43455系に基づく官給品で、複数のメーカーが製造しました(ALPHA INDUSTRIES等は主要な製造メーカーの一つですが、唯一の設計者ではありません)。
M-51との違い(最速の見分け)
最大の違いはフードの収納方式です。M-51は襟にボタンで留める着脱式フード(シャツ襟)であるのに対し、M-65は厚いスタンドカラーの中にジッパーでフードを収納する「コンシールドフード」を備えます。生地もM-51のコットンから、M-65はナイロン×コットン(NyCo)のサテンへ移行したとされます(移行年は資料により幅があり諸説あり)。
全年代に共通するディテール(M-65の目印・年代軸にはならない)
四つポケット(胸2・腰2、いずれもフラップ+スナップ)、襟内収納のコンシールドフード、襟/ウエスト/裾の3か所のドローコード、面ファスナー(ベルクロ)の袖口、フロントジップ+スナップ留めのストームフラップ、着脱式キルティングライナー(別パーツ)。これらは生産期間を通じてほぼ共通で、M-65であることの目印になります。
年代差(区分の主軸=ジッパー素材+契約タグ)
年代はおもに(1)ジッパー素材(シルバーのアルミ/クロム合金=初期〜1971年頃/真鍮ブラス=1972年頃〜1986年頃/ナイロン・プラスチック=1986年頃〜)と、(2)襟・裾内などの契約(コントラクト)タグの番号(DSA=1977年頃まで/DLA=1978年頃以降/SPO等はさらに後年)で見ます。タグの二桁数字は契約が結ばれた会計年度であって製造年そのものではない点、ジッパーは交換されやすい部品である点に注意します。最初期(1965〜66年頃)の1stパターンはエポーレット(肩章)が無く、最希少とされます。
年代の見分け方(早見)
以下の順に絞ると分かりやすいです。
(1)フードが襟内収納=M-65(襟にボタン留めの着脱フード=M-51)
(2)肩のエポーレット無し=最初期1stパターン(1965〜66頃)
(3)ジッパーがシルバー(アルミ)=〜1971頃/ブラス=1972〜86頃/プラ=1986頃〜
(4)契約タグDSA=1977頃まで/DLA=1978頃以降
(5)ウッドランドカモ=1981年頃以降
各移行年は資料で食い違うため「諸説あり」。実物(官給品)か民生レプリカかは、契約番号(DSA/DLA/SPO)+MIL規格番号の有無で判別します(RN番号は民生市場向けの目安)。
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